「正直バブリー」 地方の中小企業がAWS導入でビジネスチャンスを逃さなかった話

「正直バブリー」 地方の中小企業がAWS導入でビジネスチャンスを逃さなかった話

「正直バブリー」 クラウドの利点でチャンスをものに

ヘプタゴンが思い出フォトの提供基盤をAWS化しようと考えたのは、同サービスでは突発的なアクセスが発生しやすかったからだ。思い出フォトはスポーツイベントや運動会の写真を販売するサービスなので、大規模なイベントがあった後は大量のアクセスが発生しやすいという。イベントが集中している時期だとなおさらだ。

思い出フォトでは土日開催のイベントで撮った写真を、次の金曜日にサイトに掲載することも多い。そうすると特定の時期にアクセスが集中しやすいので、サーバの規模などを柔軟に変更しやすいクラウドが適していると考えたという。

クラウド化の効果について「アクセスが集中してもサーバが落ちるようなことがなくなって助かっている」(中嶋代表)。一方で、中嶋代表は最近になってその恩恵をさらに感じるようになったという。原因はコロナ禍だ。

「コロナ禍で全く大会が開催されず、最近やっと再開されるようになった。再開後は参加者が『今買っておかないと』と思うようになったのか、写真が売れるようになった。注文数も客単価も増え、正直バブリー。若いお母さんが買ってくれている」(中嶋代表)。突然のチャンスだったが、機会損失をせずに済んだという。

大手のような機能も実装 AI活用の検索も可能に

AWS導入の利点は他にもあった。大手の競合が提供しているような機能を自社でも用意できたことだ。思い出フォトでは2020年ごろ、写真に写っているゼッケンの番号から画像を検索できる機能を追加した。ユーザーからの問い合わせも多く、実装したかった機能という。

こちらも開発はヘプタゴンが担当。AWSが提供する画像・動画分析AIサービス「Amazon Rekognition」を使って開発した。Amazon Rekognitionはあらかじめ訓練されたAIを使えるサービスだ。写真や動画から顔を検出する、テキストを検出するといった用途で使える。

photoヘプタゴンの立花拓也代表

独自にAIを開発する選択肢もあったが、予算が数十万円程度だったことから、Amazon Rekognitionを使うことにしたと立花代表。「Amazon Rekognitionはまだ日本語の認識に弱いが、ゼッケンは英数字が多いので、相性が良いとも考えた」(立花社長)という。

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