フードデリバリー/テイクアウトのmenu社が日本企業で初のGoogle Maps Platformモビリティ ソリューション を導入

フードデリバリー/テイクアウトのmenu社が日本企業で初のGoogle Maps Platformモビリティ ソリューション を導入

急成長を支える独自のビジネスモデル

株式会社レアゾン・ホールディングスの執行役員で、menu株式会社で取締役を務める佐藤裕一氏は、同社のビジネスモデルと企業戦略を次のように説明します。

「レアゾン・ホールディングスは『世界一の企業へ』というビジョン、そして『新しい”当たり前”を作り続ける』というミッションを掲げており、menu もその一環としてスタートしました。テイクアウトサービスを足がかりに、フードデリバリービジネスへ進出。最近はスーパーや百貨店などを対象にしたクイックコマースや、社員食堂の代わりにデリバリーを利用していただくような福利厚生の分野にも参入して、事業を拡大しています。」

ただし menu株式会社が目指しているのは、単に効率よく食事を届けることではありません。佐藤氏は「むしろ最も重視してきたのは、『食』がもたらす高揚感やエンターテインメント的な楽しさを広く提供することでした」と語ります。事実、同社はレアゾン・ホールディングスグループ全体が培ってきたゲーム業界や広告業界のノウハウを活かしたIPコラボ、あるいはガチャシステムなども積極的に展開してきましたが、他にも様々な工夫を行っていることで知られます。佐藤氏はその発想の原点を解説しています。

「ご家族でフードデリバリーを利用される方も多いのですが、お子さまが食べたいものと、親御さんが食べたいものが違うということはよくあると思います。別なお店の料理も、一回の注文で届けてもらえるならば選択の幅も広がりますし、自宅でフードコートにいるようなユーザー体験もできます。お客さまの中には、お酒もついでに買ってきてほしい、日用雑貨も届けてほしいと願われる方もいらっしゃるでしょう。」

このようなニーズに応えるために、menu アプリは複数の店舗から同時に購入できるコンボ注文機能を提供しています。一方では、基本配達料が無料になる会員制度の導入や、たとえばミシュランなどに選定された高級料理店などとの画期的なパートナーシップも実現させており、これらの試みもリピート率の高さにつながっているとのことです。

デリバリー業界は配達員の確保が難しい、注文が入ってもマッチング(配達員の手配)ができないといった課題を慢性的に抱えてきました。しかし佐藤氏は「ありがたいことに、その手の問題に悩まされたことはありません」と語ります。

「menu が配達員の方にも支持されているのは、配達するほど報酬が上がる仕組みを整えたことや、配達していただく方にとってもアプリやシステムが使いやすいという特徴が評価されているからだと思います。」

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/service_image.max-2200x2200.jpeg

menu サービスの全体像

 

開発を支えたユーザーファーストの発想

株式会社レアゾン・ホールディングスで 取締役 CTO 兼  CHRO を務める丹羽隆之氏は、開発プロジェクトを推進する上で重視した方針を詳細に語っています。

「飲食業界はデジタル技術に関する知識の差がすごく大きく、いまだに FAX を利用しているお店もあれば、IT を駆使しているお店もあります。ランチタイムはデリバリーに特化する店舗もあるなど、経営方針も千差万別です。そのような店舗に向けてアプリを開発していく際には、使いやすさを最大限に高めることが鍵になります。開発の際には、できるだけ操作を簡略化してタップ回数を減らす、画面を注視していなくてもいいように音でアラートを出す、必要な場合には、ワンタップで調理完了の予定時刻を遅らせることができるようにするなど、現場のニーズにこだわっています。弊社では技術開発部門のスタッフが営業スタッフに同行し、店舗経営者の方々とデリバリーに適したメニューを検討するような取り組みも行っています。」

menu株式会社は、配達員向けアプリの開発でも同様の努力を重ねてきました。丹羽氏は「開発者自ら実際にベータ版をいろいろな状況で使っています。たとえば、どんな天気でも見やすく、安全で便利に操作できるUIなどを煮詰めてきました」と振り返ります。このような方針は、注文者向けのアプリを開発する際にも徹底されました。

「各店舗には『商圏』がありますし、お客さまの立場にたてば、過去の注文履歴やお好みなどを踏まえ、パーソナライズされたおすすめ情報が表示されるのが理想的です。これを実現するため、レアゾン・ホールディングスの研究チームが独自に検索エンジンを開発して menuアプリに組み込んでいます。類似サービスでは、広告でアプリに表示される店舗のランキングが変わることがありますが、私たちは情報の信頼性を高めるために、広告もすべて排除してきました。このようにお客さまを第一に考える姿勢は、今や業界を問わずにスタンダードになってきていると思います」

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/menu_app.max-1300x1300.png

menu アプリの画面例 - 注文用と配達員用

 

menu のシステムやアプリを開発するにあたって、丹羽氏は Google Maps Platform を選択。決め手になったのは「スピード感と使いやすさ」だと語ります。「私たちはゼロからテイクアウトのビジネスを立ち上げ、その延長線上でデリバリーも手掛けるようになりました。このような場合には、マーケットシェアを確保する上でも開発のスピード感が非常に重要です。Google Maps Platform はアカウントを作るだけで使えますし、実用的な API や世界中で共有されているナレッジも活用できるので最適でした。」

続きは Google Cloud ブログ へ

事例カテゴリの最新記事