花王、消費者とつながるデジタル基盤を開発–「体験づくりの会社」への変貌図る

  • 2022.12.16
  • DX
花王、消費者とつながるデジタル基盤を開発–「体験づくりの会社」への変貌図る

花王、消費者とつながるデジタル基盤を開発–「体験づくりの会社」への変貌図る

花王は12月15日、消費者と直接つながる双方向のデジタルプラットフォーム「My Kao」を立ち上げ、運用を開始すると発表した。

Kao Beauty Brands Play ParkのイメージKao Beauty Brands Play Parkのイメージ

My Kaoは「知る」「体験する」「買う」「創る」という4つの機能で構成され、ユーザーは専用のID「My Kao ID」を登録することでサービスを利用できる。「知る」機能では、消費者の研究や商品開発を通して得た知見を「暮らしに役立つ情報」として発信する。例えば、ビューティーコミュニティーサイト「Kao Beauty Brands Play Park」では、メークの流行やテクニックだけでなく、花王のエビデンス(根拠)に基づき、科学的な視点でアドバイスを行う。

「体験する」では、ユーザーのモニタリングを通して一人一人に合ったソリューションを提案する。人工知能(AI)を活用した肌測定コンテンツ「肌レコ」では、スマートフォンで自分の顔を撮影すると、合計13指標のスコアを測定する。肌レコは、花王の皮膚科学やメイクアップ研究の知見を学習させたAIと外部の技術を掛け合わせ、独自の測定ロジックを構築することで実現している。同コンテンツは、2023年3月の提供を予定しているという。

「買う」では、EC「My Kao Mall」を開設するとともに、ユーザーの位置情報に基づいた最寄りの取扱店を検索できる機能を搭載し、オンラインとリアル双方の購入体験を向上させる。My Kao Mallで取り扱う商品は化粧品からスタートし、2023年下期からは家庭用品も加えることを予定している。「創る」では、多種多様なコミュニティーを設置し、ユーザーや研究員、美容部員らが一緒になって新商品やサービスの開発に取り組む。

ユーザーはIDを登録してこれらの機能を利用することで、My Kaoには人々の暮らしに関するさまざまなデータが集まると予想される。花王はこうしたデータを「くらしビッグデータ」と名付け、商品のレコメンドや開発などに活用するとしている。

My Kao立ち上げの背景について、同日開催の説明会に登壇した常務執行役員 DX戦略推進センター長の村上由泰氏は、情報過多に伴う企業発の情報への期待、デジタル技術の進化による取得可能なデータの拡大、消費者が主体となるものづくりの普及、花王の強みである幅広い商品ラインとものづくりの知見を挙げる。

続きは ZDNet へ

DXカテゴリの最新記事