DXは強みを増幅–経産省の中心人物が語る「DXレポート」に潜む危機感の正体

  • 2022.07.27
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DXは強みを増幅–経産省の中心人物が語る「DXレポート」に潜む危機感の正体

DXは強みを増幅–経産省の中心人物が語る「DXレポート」に潜む危機感の正体

レガシーシステムを放置したままではデジタル時代の波に乗り遅れる。2025年までに毎年12兆円の経済損失をもたらす――。2018年9月に発表された経済産業省の「DXレポート」は国内のIT業界やIT部門に衝撃を与えた。2022年7月に最新版「DXレポート 2.2」が公表される予定だ。

DXレポート策定の中心人物である同省 商務情報政策局 情報経済課 アーキテクチャ戦略企画室長 和泉憲明氏は、5月に開かれたイベント「Okta City Tour Tokyo」に登壇、「デジタル時代の企業競争力強化とDX推進に関する政策展開 DXレポートの最新版(2.2)と国内外動向を交えて」と題して講演した。

デジタル人材が担う役割について、和泉氏は「デジタル変革を実現すべき競争戦略は、よりよくするためのベターか、新しいビジネスモデル競争戦略に出るディファレントかの二つ」と主張した。

経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 アーキテクチャ戦略企画室長 和泉憲明氏経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 アーキテクチャ戦略企画室長 和泉憲明氏

 和泉氏はデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の現状と課題について、「デジタル時代のビジネスはよい製品やサービスを作れば売れる時代ではない」と述べながら、グローバル化を視野に含めたインターネットにスケールするビジネスの設計が必要だと捉えている。

他方でDXがよくも悪くもコモディティー化していると述べつつ、「DXは自社の強みを増幅するためのデジタル技術であるはず」と主張。自社強化の投資判断と数値的指標の増減に基づいた経営判断が衝突し、経営の本質に関する議論が先送りだと指摘する。

DXレポートで注目を集めた「2025年の崖」について和泉氏は「結果的には危機感を醸成しながら、(企業の)内部留保を投資に向けて社会を変えたかった」と振り返る。だが、コロナ禍も相まってDXは進まなかった。

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