文章力は不要に? 対話型AI「ChatGPT」で仕事のやり方は変わるのか

  • 2023.01.11
  • AI
文章力は不要に? 対話型AI「ChatGPT」で仕事のやり方は変わるのか

文章力は不要に? 対話型AI「ChatGPT」で仕事のやり方は変わるのか

対話型のAIチャットボットとして話題の「ChatGPT」が、米アルファベット(グーグル)やマイクロソフトを巻き込みつつ、検索エンジンやオフィスソフトに影響を及ぼす可能性が注目されています。

なぜ、チャットができるだけのAIがここまで注目されるのか、背景を考察していきます。

直接「答え」を返してくれるのが魅力に

2022年11月末にリリースされたChatGPTは、問いかけに対して自然な文章で「答え」を返してくれるのが特徴です。

現時点では不正確な回答も多く、持っている知識も2021年までの情報に限られているものの、質問に対して答えを返してくれるという能力は、多くのサービスにとって脅威になり得ます。その1つが検索エンジンです。

最近のグーグルは、ユーザーが知りたい答えを返してくれる機能を増やす傾向にあります。歴史上の人物ならWikipediaなどから内容を引用したり、Googleマップと連動して乗り換え経路を示してくれたりします。

しかし基本的には、検索結果からWebサイトを1つずつ開いていき、目当ての情報を探しあてる必要があります。これはスマホの小さな画面では容易ではありません。

たとえば「家庭のフライパンでステーキを焼くコツ」を知りたいとき、グーグルは参考になるWebサイトを示してくれます。これに対してChatGPTは、具体的な手順を示してくれるという違いがあります。

グーグル検索(左)とChatGPT(右)の違い(各サイトの画面より、筆者作成)
グーグル検索(左)とChatGPT(右)の違い(各サイトの画面より、筆者作成)

グーグルは検索結果に表示する広告で大きな収益を上げています。売上高は直近の1年間では1631億ドル(約21.5兆円)、売上全体の半分強を占めていますが、この巨大なビジネスが脅かされているというわけです。

グーグルはこのChatGPTの登場を重く受け止めており、AIのプロトタイプや製品を積極的に出していくようトップからの指示が出たことを米New York Timesは報じています。

すでにグーグルも対話型AIのための言語モデルを開発しているようですが、ChatGPTのように不正確な文章を出してしまうと、グーグルのブランドを毀損することにもなりかねません。このあたりにどう折り合いを付けるのか、興味深いところです。

一方、ChatGPTの開発元であるOpenAI社には、2019年に米マイクロソフトが出資しています。人気ニュースレターのThe Informationは、検索エンジンの「Bing」がChatGPTの導入を検討しているとの内部情報を報じています。

長年、Bingはグーグルの後塵を拝しており、簡単に逆転できるとは思えないものの、「グーグルを本気にさせる」存在として、がんばってほしいところです。

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