サイバー特捜隊を「特捜部」に格上げ 専従を増員 警察庁方針

サイバー特捜隊を「特捜部」に格上げ 専従を増員 警察庁方針

警察庁は、重大なサイバー事案の捜査にあたる国直轄のサイバー特別捜査隊を「サイバー特別捜査部」(仮称)に格上げする方針を決め、来年度の組織改正要求に盛り込んだ。隊から部に昇格させて対外的な影響力を高め、海外の捜査機関との国際共同捜査などを一層進める狙いという。捜査や解析用の資機材の整備も進める。

サイバー犯罪やサイバー攻撃の深刻化に対応するため、警察庁は警察法を改正して昨年4月、サイバー警察局と、自ら捜査するサイバー特捜隊を発足させた。それまでは捜査は都道府県警察が担っていた。

警察庁は来年度、特捜隊の定員(専従)を現在の100人から十数人増員する方針。実現すれば、都道府県情報通信部で解析などを担う職員の兼務を含めた全体の体制は300人弱になる。

サイバー特捜部は、現在の特捜隊を特別捜査課とし、情報分析などを担う企画分析課との二つの課で構成。トップの階級は、現在の特捜隊長の警視正から、特捜部の部長は警視長に上げる計画という。サイバー警察局も十数人増員する方針だ。

サイバー特捜隊発足で海外の捜査機関との連携は進んでいる。コンピューターウイルス「ランサムウェア」による攻撃をめぐり今年5月に米司法省がロシア人を訴追した事件には、特捜隊が関わった。「16SHOP」と呼ばれるフィッシングツールを使った事件では、特捜隊がインドネシア国家警察と共同捜査を行い、今年7月に同国在住の男が逮捕された。

(編集委員・吉田伸八)

朝日新聞デジタルより

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