マルチクラウドとは何か、ハイブリッドクラウドとの違い(上)

マルチクラウドとは何か、ハイブリッドクラウドとの違い(上)

 マルチクラウドとはその名のとおり、複数のクラウドベンダーのサービスを組み合わせて利用する形態を表す。クラウドベンダーが多種多様なのと同じように、マルチクラウドを選ぶ理由も企業によってさまざまに異なる。

 今やクラウドサービスの守備範囲は非常に広い。マルチクラウド環境のサービスにはさまざまな組み合わせが考えられる。例えばMicrosoft 365のWeb版アプリケーションと、Google Driveのストレージ、AWSのコンピューティングを併用している企業もあるだろう。

そのほか、同じ機能や用途のサービスをあえて複数のクラウドベンダーから調達する形のマルチクラウドも考えられる。また大企業の場合や、ITを厳重に一元管理していない企業の場合には、さまざまな部門がさまざまなクラウドを独自に導入して、意図せずマルチクラウドの状態になっているケースもある。パブリッククラウドサービスは料金が非常に安く、導入も簡単だからだ。

マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違い

マルチクラウドの特長や課題の話に入る前に、まずはマルチクラウドとハイブリッドクラウドの違いをきちんと押さえておこう。言葉の響きはよく似ているが、意味は異なる。

前述のとおり、マルチクラウドとは複数のクラウドベンダーのサービスを併用する形態を表す。一方、ハイブリッドクラウドとはパブリッククラウドとオンプレミスのプライベートクラウドとを併用する形態を表す。

ハイブリッドクラウドの場合、そのパブリッククラウド部分で複数のクラウドベンダーを利用しているのであれば、その環境はハイブリッドクラウドでもありマルチクラウドでもある。実際、こうした利用形態は広く見られる。だが、パブリッククラウドが1社のみの場合はマルチクラウドとは言わない。

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