クラウド図鑑 Vol.95

Zoom Video Communicationsは短縮名で「 Zoom  (ズーム) 」と呼ばれるが、2011年に米サンノゼで創業した企業だ。ビデオ会議/ミーティングを中心に、ウェビナー、グループメッセージング、会議室ソリューションなどのクラウドサービスを提供している。創業者のEric S. Yuanは、以前Ciscoの技術部門の副社長として、ビデオ会議システム WebEx 製品の中心となっていた人物だ。 Zoom の経営陣には他にもCiscoのWebExの中心メンバーや、同種のサービスBlueJeansのメンバーが在籍しており、ビデオ会議のシステムや業界を熟知した会社だといえる。このような Zoom が提供するビデオ会議のサービスにはいくつかの特徴がある。まず、 Zoom のサービスでは会議/Meetingの参加者は、スカイプのようにIDを持っている必要はなく、1クリックで簡単に参加でき、会議の録画や画面共有、ホワイトボードなどの操作も簡単なこと。通信が安定しており音声や映像も明瞭で50人規模の会議でも使えること。これと関連してデータ通信量が他サービスに比較して少ないため、さまざま回線やネットワーク環境で利用できること。また、Windows、Mac、Linux、Chrome OS、iOS、Androidなどさまざまなクライアント環境から利用できること。最近のクラウドサービスによくある「フリーミアムモデル」を採用しており、無料のプラン (3人以上のミーティングの時間が40分に制限される) から始められることなどだ。Zoomのサービスは現在65万以上の企業に利用されており、2917年にForbes誌が選んだ「Cloud 100」のリストで18位にランクされている。

Zoom  の設定画面
Zoom(クリックで拡大)

URL  https://zoom.us
2016年8月2日 株式会社クラウディット 中井雅也

機能

ビデオ会議/ミーティングを中心に、ウェビナー、グループメッセージング、会議室ソリューションなどのクラウドサービスを提供している。

ビデオ会議/ミーティング

  • ビデオ参加者500名までのオンラインミーティング/会議
  • 画面共有、ホワイトボード、コメント
  • クラウドまたはローカルへの録画
  • ブレークアウトルーム
  • 日本の電話番号に対応した電話回線からのミーティング参加

ウェビナー

  • 10000名までの閲覧者に対応
  • 100人までのパネラーに対応
  • Facebook LiveやYouTubeへの動画掲載
  • 画面共有、質疑応答
  • 講師/パネリストとプレゼンテーションの同時表示

Zoom Rooms

  • 市販のハードウェアと連携したビデオ会議室システム

H.323ルームコネクタ

  • H.323/SIPルームシステムを、デスクトップPC、タブレット、モバイル機器、Zoom Rooms、その他のH.323/SIPエンドポイントに接続
  • Polycom、Cisco、Lifesizeなど数多くのレガシーエンドポイントで機能

ビジネス用インスタントメッセージング

  • グループメッセージの送受信
  • デスクトップPC、ノートPC、タブレット、モバイル機器上のテキストファイル、画像ファイル、音声ファイルを瞬時に送信

開発者向けツール

  • REST API
  • iOS MobileRTCスタック
  • Android MbileRTCスタック
  • Windows SDK
  • Mac SDK
  • Java Script API

使いやすさ

 Zoom のサービスでは会議/Meetingの参加者は、スカイプのようにIDを持っている必要はなく、1クリックで簡単に参加でき、会議の録画や画面共有、ホワイトボードなどの操作も簡単である。画面は日本語化されている。

マニュアルや書籍など

マニュアルよりビデオを重視しておりチュートリアル的なビデオが多数用意されている。ビデオはYoutubeの機能/設定により日本語の字幕を表示することができる。Webサイトはほぼ日本語化されているが一部英語。

拡張性

ミーティングは500名まで、ウェビナーは10000人の閲覧者まで対応できるとしている。データ通信量が小さいため、多くの人数に対応できる。 Zoom のサービス全体では65万社以上の企業に利用されている。

可用性

 Zoom のクラウドでは、サーバーやネットワークなどは全て冗長化されており単一の障害からの停止はない、としている。モニタリングのシステムによりクリティカルな問題を検知すると自動フェールオーバーおよび自動リカバリーを行うとのこと。

SLA

SLAは規定されていない。

自動化機能

マネージドサービスとして提供され、ソフトウェアのアップデートなどを含めインフラの管理・運用タスクは Zoom によって行われる。SDKとAPIによって各種設定や操作をプログラムから操作することができる。

セキュリティ

ミーティング/会議に使うURLは都度生成されるため安全性が高く、参加者はIDが必要ないためアカウントを乗っ取られにくい。SSL(セキュアソケットレイヤー)暗号、AES 256ビット暗号化、HTTPSアクセスなどで通信を暗号化している。役割ベースのアクセスコントロール、管理者機能コントロールでアクセスを制御。

データセンターの場所

データセンターの場所やクラウドインフラの実装については非公表。

実績・シェアなど

シェアなどの数字はないが、世界で65万の企業が利用しているという。

エコシステム

さまざまなテクノロジーパートナーによるエコシステムがあり、コンテンツ共有はMicrosoft (One Drive)、Google Drive、Box、Dropboxなど、スケジュール共有はMicrosoft (Outlook)、Google Calendar、Salesforce、Slackなど、ID連携はMicrosoft(Active Directory)、Google、Facebookなど。2017年8月時点で日本法人はなく、国内の販売パートナーもないようだ。

価格および支払い方法

3人以上のミーティングの時間が40分に制限されるが100人までの参加者をホストできる「基本(Basic)」は無料。Basic機能に加えてユーザー管理機能、レポーティング、IDスケジューラーの指定、1GBの録画のクラウド保存などが利用できる「プロ(Pro)」がホストユーザーあたり月額14.99USドル、さらに上位の「ビジネス(Business)」がホストあたり月額19.99USドルなど。