クラウド図鑑 Vol.3

概要

Microsoft Azure は、Microsoft のクラウド プラットフォームで、コンピューティング、ストレージ、データ、ネットワーキング、アプリケーションなどのサービスを提供している。Microsoftによればオンプレミスとクラウドの両方にまたがるアプリケーションをより簡単に構築できるのが特長である。Windows だけでなく Linux、またデータベースもSQL Server だけでなく OracleやMySQL,PostgreSQL、開発言語もC# や Java など、さまざまなオペレーティング システム、言語、ツール、フレームワークに対応し、Windows と Linux の両方のエコシステムの利点を活用できるサービスである。Active DirectoryやSQL Serverなどよく使われてるソフトウェアも含めて、Windowsを利用している企業がクラウド上で安心してWindows環境を使うことができる。米Microsoftの決算発表によれば、同社のAzureやOffice 365などを含むクラウド事業の規模を年額63億ドルとしている。

Azureの日本語コンソール
Screenshot 2015-05-21 at 23.56.52
(クリックで拡大)

URL  http://azure.microsoft.com
2015年5月21日 株式会社クラウディット 中井雅也

機能
Azureは仮想マシン、ネットワーク、ストレージなどのインフラのサービス(IaaS)と、SQL Serverデータベースなどのミドルウェアのサービス(PaaS)を提供し、基本的に従量課金で費用が発生する。

使いやすさ
日本語化されたコンソールから各種リソースの作成・設定・起動・終了などを行うことができる。Azure のギャラリーには、SharePoint Server 2013 や SQL Server などがインストールされたイメージがあり、数クリックでVM作成からアプリケーションの導入までを完了できる。このギャラリーには、Windowsだけでなく、WordpressやTomcatなどの人気の高いオープンソース・ソフトウェアも用意されており、Windowsアプリケーションと同様に数クリックで導入できるようになっている。コンソールやドキュメントの用語や、全般的な操作性などもWindowsユーザーから見て違和感の少ないものになっている。Microsoftの管理ソフトウェア「System Center」からAzureとオンプレミスのWindowsの統合管理が可能。

マニュアルや書籍など
豊富なマニュアルやアーキテクチャガイド、チュートリアルなどのドキュメントが用意されている。日本語化されているものも多い。

拡張性
巨大なリソースを保有しているため大規模なWebサイトやビッグデータ処理などを必要に応じた規模で構成することができる。リソースの拡張によるスケールアップ、および、不足リソースをスケールアウト的に追加することも容易。自動スケールはSQL Serverのサービスでも利用できるためWindowsシステムの全体を負荷にあわせて伸縮させることができる。

可用性
Azureは、北米、ヨーロッパ、アジアの19 22拠点で運用されており、複数拠点を使った冗長構成やバックアップサイト構築が可能である。最初のサインアップ時に 2 つのデータ レプリケーションのオプションを有効にすることが可能。Locally Redundant Storage (LRS) では、ユーザーのプライマリ リージョン内にデータがローカルに保存される。Geo Redundant Storage (GRS) では、同じ Geo 内の、プライマリ リージョンから 250 マイル以上離れた 2 つ目のリージョンにデータが保存される。

SLA
多くのサービスで99.9%以上の可用性または接続保証をするSLAとなっている。Virtual Machineは99.95%以上の外部接続を保証する。

自動化機能
Windows Azure REST APIにより、プログラムから仮想マシンの起動/停止/作成/削除やステータス確認などができるため、処理の自動化が可能。

セキュリティ
セキュリティ用のソフトウェアを一から設計し、Azure インフラストラクチャが攻撃に耐えられるようにしている。インシデント対応チームが常に対応できる状態を保っている。ISO 27001、HIPAA、FedRAMP、SOC 1、SOC 2 などの国際的な業界固有のコンプライアンス基準およびオーストラリアの IRAP、英国の G-Cloud、シンガポールの MTCS などの国ごとの基準を満たしている。クラウド プライバシーに関する新たな国際標準である ISO 27018にも準拠している。

データセンターの場所
Azure は、北米、南米、ヨーロッパ、日本と中国を含むアジアなど、グローバルの19  22リージョンにわたるデータセンターで稼働しており、場所を指定することができる。日本でも東日本と西日本にデータセンターがある。

実績・シェアなど
米調査会社のSynergy Research Groupの調査によれば2015年第一四半期のシェアはAWSに次いで第2位だった。フォーチュン 500 社のうち 57% を超える企業が Azure を使用しているとのこと。
米Synergy Research Groupによる2016年第3四半期におけるワールドワイドのクラウドのシェアの調査結果では、IaaSではAWSが首位でシェアは45%で、2位はMicrosoft、3位Google、4位IBM、また、PaaSにおいてもAWSはシェアトップで、2位はSalesforce.com、3位Microsoft、4位IBMとなっている

エコシステム
Windowsの開発パートナー、販売パートナー、SIパートナーなどによるエコシステムが充実している。

価格および支払い方法
従量課金で分単位の課金が可能となっている。データ転送でも課金が発生する。価格はサービスごと、またリージョンによっても異なるが、日本円での支払いも可能で、クレジットカード以外にも請求書払いも可能。最大30日間200ドル相当の無料枠が用意されている。
参考価格としては、エントリーレベルのA0インスタンス(1VCPU/0.75GBメモリー)の場合で、$0.018/時間。