クラウド図鑑 Vol.74

概要

Sansan は、2007年に創業した日本のベンチャー企業で、4000社以上に導入されているシェア1位の企業用の名刺管理クラウドサービス「Sansan」と、100万以上のユーザーに使われている個人用の名刺管理クラウドサービス「Eight」を提供している。最大の特徴はスキャナーあるいはカメラから読み込んだ名刺データをクラウドに取り込みオペレータが手動入力するため、OCRなどによる機械的な文字認識よりも高い精度でデジタルデータ化されることだ。企業用の「Sansan」は、クラウド型のメリットを活かした外部連携の機能が優れており、SalesforceのCRMや、Microsoft Dynamics CRM、サイボウズのkintoneのようなアプリケーションとの連携、および、名刺データからWeb上の各種ニュースサイトから最新の企業情報を取得し、人事異動情報を自動でキャッチして、名刺の役職を更新することもできる。会社単位で組織図が自動生成し、自社のどの部門と顧客のどの部門が「いつ」「どこで」「何をしたのか」をデータ化する機能や、メール配信機能、名寄せ機能など日本企業の営業部門で重宝される機能を多数提供する。なお、本稿では、特に断りのない限り、企業用の「Sansan」のサービスについて記述する。

Sansanのメール配信画面
Sansan
(クリックで拡大)

URL  https://jp.sansan.com
2016年9月28日 株式会社クラウディット 中井雅也

機能

名刺管理を中心に、顧客管理、案件管理、テキストメール配信、外部連携などの機能を提供する。

  • 名刺管理
    • 名刺データ入力:スキャナー、カメラ、手動によるデータ入力
    • オペレータによる文字入力
  • 人物詳細データベース
    • 趣味や嗜好などの情報付加
    • 地図やWebサイトの表示
  • 情報検索
    • 社名、氏名、電話番号、メールアドレスなどによる検索
    • グループでの情報共有による同僚や上司の名刺情報検索
    • 営業用リスト抽出
  • 顧客管理
    • 組織図の自動生成
    • 社内人脈の見える化
  • 名刺の履歴
    • 自動名寄せ
    • 役職、職歴などの見える化
  • 案件管理
    • 商談の記録
    • 商談の管理表
    • コンタクト情報の記録
  • テキストメール配信
    • 配信数無制限のメール配信
    • 担当者名によるメール配信
  • 自動ニュース配信
    • ニュースサイトからの顧客企業の関連ニュース取得
    • 人事異動情報の自動取得と名刺情報の自動更新
  • 外部連携
    • Salesforce、MicrosoftなどのCRMや、サイボウズkintoneなどの外部アプリケーション連携
    • APIによる連携
    • Webフォーム連携
    • Active Directory連携
    • CSV出力
  • セキュリティ
    • セキュリティカスタマイズ
    • アクセスコントロール

使いやすさ

営業部門での利用を想定しており短期で導入で使い始められる。日本のサービスなので画面は日本語である。

マニュアルや書籍など

Webサイトのコンテンツ、マニュアル、ヘルプなど多くの情報が日本語で提供されている。

拡張性

拡張性についてのアーキテクチャは明らかでないが、営業部門での利用を想定しており、1000ユーザー規模での利用の実績も多くある。セッションや検索結果についてはRedisのキャッシュで高速化し、データベース(PostgreSQL)に関しては、データのオンメモリで保持し、独自の水平分散アーキテクチャを用いている。

可用性

可用性についてのアーキテクチャは明らかでないが、4000社以上のユーザーに対して安定的にサービスを提供している。データベース(PostgreSQL)に関しては、クラスターソフトウェア、非同期のレプリケーションで可用性を高めている。

SLA

特にSLAを規定していない。

自動化機能

基本的にマネージドサービスであり、パッチの適用やバックアップなどの管理や運用のタスクをSansanが行う。APIによって外部アプリケーションとの連携が可能。

セキュリティ

プライバシーマークの取得をはじめ、万全のセキュリティ対策を行っており、大企業や政府機関などでも利用されている。携帯電話・スマートフォンのアクセス制限やIPアドレス制限などのセキュリティレベルをコントロールしている。上位エディションではセキュリティカスタマイズや権限設定によるアクセスコントロールが可能。通信はすべて暗号化されている。Sansanとしてプライバシーマークを取得しており、また社員の95%以上が個人情報保護士の資格を取得している。

データセンターの場所

データセンターの場所は公表していない。

実績・シェアなど

4000社以上の導入実績があり、2015年5月 シード・プランニング調べでは76%のシェアで名刺管理で1位となっている。さまざまな企業で利用されているが、国内の大手ユーザーとしては、経済産業省、三井不動産、ヤマハ発動機、コニカミノルタ、三井化学、朝日新聞、日刊工業新聞など。

エコシステム

APIによって、連携アプリケーションの提供ベンダーとのエコシステムを形成している。

価格および支払い方法

名刺管理を中心とする基本機能を提供する「Group」がIDあたり月額3500円、営業支援機能を追加した「Sales」がIDあたり月額5500円、セキュリティ機能を強化した「Professional」がIDあたり月額6500円。最低5IDの購入が必要で、契約期間は1年。1ユーザごとに50枚/月の名刺データ化が含まれ、それ以降は30円/枚の名刺データ化費用がかかる。