クラウド図鑑 Vol.2

概要
Google Cloud Platform (GCP)は、Google により提供されるクラウドコンピューティングサービス。Googleが強調しているように「瞬時に数十億件の検索結果を返し、月に 60 億時間分の YouTube 動画を再生し、4 億 2,500 万人に及ぶ Gmail ユーザーにストレージを提供している」「Googleのインフラをそのまま利用」できるサービスである。
クラウドコンピューティングやビッグデータなどのテクノロジーリーダーであるGoogleが自社のために開発し利用してきた「Bigtable」や「BigQuery」などが使えるため、巨大なデータを扱うのに有利だと考えられる。米調査会社のSynergy Research Groupの調査によれば2015年第一四半期のシェアはAWS, Microsoftに次いで第3位だった。

GCPの日本語コンソール
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URL   http://cloud.google.com
2015年5月20日 株式会社クラウディット 中井雅也

機能
GCP全体では仮想マシン、ネットワーク、ストレージなどのインフラのサービス(IaaS)と、データベースなどのミドルウェアのサービス(PaaS)を提供し、基本的に従量課金で費用が発生する。
(さらにグループウェアのアプリケーションサービスGoogle Appsなども提供するが、この記事では割愛する)
仮想サーバーのサービス「Compute Engine」をはじめとして、オブジェクトストレージのサービス「Cloud Storage」、リレーショナルデータベースの「Cloud SQL」、さらにGoogle自身がビッグデータの処理のために開発・利用してきたBigtableやBigQueryなど独特で魅力的なサービスが利用できる。また業界随一といわれる高速なグローバルネットワークが利用できることも重要なポイントである。特にリージョンを跨いだ接続のネットワークの高速性には定評がある。

使いやすさ
日本語化されたコンソールから各種リソースの作成・設定・起動・終了などを行うことができる。ドキュメントは豊富だが日本語になっていないものも多い。コンソールのクリックアンドデプロイというメニューには、Apache HadoopやWordpress、MongoDBなどの人気の高いオープンソース・ソフトウェアが用意されており、ワンクリックで導入できるようになっている。アカウントはGoogleアカウントと統合されており他のGoogleサービスとシームレスに利用できるようになっている。SSHがコンソールとアカウントと統合されており使いやすいものになっている。

マニュアルや書籍など
豊富なマニュアルやチュートリアルなどのドキュメントが用意されている。しかしながら日本語化されていないものも多い。GCPを使いこなすには英文ドキュメントを読みこなす英語力は必要だと思われる。

拡張性
業界随一の巨大なリソースを保有しているため大規模な処理のためのリソースに関する心配はないだろう。突然の負荷の増加時にリソースを自動的に増強するオートスケール、グローバルでの負荷分散などに加えて、大規模なデータを高速に処理・分析できるBigtableやBigQueryなど大規模処理のためのサービスが充実している。

可用性
GCPは、北米、ヨーロッパ、アジアの3拠点(リージョン)で運用されており、各リージョンは複数のゾーン群で構成される。2015年5月現在では世界で10のゾーンを展開している。最新のライブ マイグレーション技術が標準で組み込まれていることで、仮想マシンが定期メンテナンスでダウンすることはない。利用者がダウンタイムを憂慮することなく、ホストにパッチが適用されたりハードウェアが増強されたりすることでデータセンターが維持管理・拡張される。

SLA
サービスによってSLAがあるものとないものがあり、規定も異なる。
Compute Engineは月間使用可能時間が99.95%未満になると請求金額が割り引かれる。
BigQueryは月間使用可能時間が99.9%未満になると請求金額が割り引かれる。

自動化機能
APIによってプログラムからインフラをコントロールすることが可能であり、さまざまな処理の自動化が可能。

セキュリティ
Compute Engine のディスクに書き込まれた保存データはすべて AES-128-CBC アルゴリズムを使用して安全に暗号化される。Compute Engine は、ISO 27001、SSAE-16、SOC 1、SOC 2、SOC 3 の各認証を取得済み。さらに2014年12月にはPayment Card Industry Data Security Standards(PCI DSS)を取得。

データセンターの場所
ゾーンという形でデータセンターの場所を指定することができる。これまで Google Cloud で課題とされてきた日本のデータセンターは、2016年11月8日に東京リージョンの正式運用が発表された。ただし2015年5月の時点で日本にデータセンターはない。

実績・シェアなど
米調査会社のSynergy Research Groupの調査によれば2015年第一四半期のシェアはAWS, Microsoftに次いで第3位だった。しかしながら導入社数などの具体的な数字は公開されていない。
米Synergy Research Groupによる2016年第3四半期におけるワールドワイドのクラウドのシェアの調査結果では、IaaSではAWSが首位でシェアは45%で、2位はMicrosoft、3位Google、4位IBM、また、PaaSにおいてもAWSはシェアトップで、2位はSalesforce.com、3位Microsoft、4位IBMとなっている

エコシステム
現在エコシステムを拡充しており、開発パートナー、販売パートナーともに増加しているが、Googleの強みである地図情報(Google Maps)やビッグデータ関連(Bigtable, BigQuery)、Web開発言語(Go言語)などを使いたい開発者が特に増加している。

価格および支払い方法
従量課金で時間単位の課金が可能となっている。最小課金単位は10分。データ転送でも課金が発生する。一方で、2015年5月から低価格で定額の料金体型のインスタンスを提供開始した。長期利用による割引がある。価格はサービスごと、またリージョンによっても異なるが、基本的にUSドルでのクレジットカード決済となる。最大60日間300ドルを上限とした無料枠が用意されている。
参考価格としては、エントリーレベルのGoogle Compute Engineのf1-microモデル(1VCPU/0.6GBメモリー)で北米の場合 $0.012/時間 (2015年11月6日更新)  $0.0056/時間。