クラウド図鑑 特別号

Gartner による  最新の調査結果「Magic Quadrant for Cloud Infrastructure as a Service」が公開され、業界1位のAmazon Web Service(AWS)と2位の Microsoft Azure が、他クラウドを引き離して、業界をリードする結果となっている。この Gartner の Magic Quadrant に対しては賛否両論さまざまな意見があるが、現状のクラウドプロバイダーを鳥瞰して比較するためには欠かせない情報になっている。本記事では、他の参考情報として、無料で使えるクラウドサービスの比較ツール3種類をあわせて紹介する

2016年8月10日 株式会社クラウディット 中井雅也

 

Magic Quadrant for Cloud Infrastructure as a Service について

概要については、業界メディアなどで既に紹介されているとおりである(参考:ZDnet  AWSとMSがIaaS市場で圧倒–ガートナーの「マジック・クアドラント」)。注目すべきは、昨年もLeaderだったAWSとMSのポジションが相対的に高まり、Googleは昨年同様にVisionaryとしての位置を維持したものの、この3社以外のプロバイダー全てが左下のNicheポジションに位置づけられてしまったことだ。このポジションの推移は、こちらの海外記事による3年間の Magic Quadrant の比較を見ていただければわかりやすいだろう(参考:TechRepublic  “Amazon still crushing cloud competition, says Gartner Magic Quadrant for IaaS”)。
 AWSに関しては、Gartnerは、最も豊富な機能を有し、円熟の域に達したプロバイダーであり、かつ、革新的なソートリーダーでもあり、強力なエコシステムの支援が得られる「安全な選択(Safe Choice)」だとしている。この見方に関しては異論を唱える人は少ないと思われるが、このMagic Quadrant for Cloud Infrastructure as a Serviceで注意すべきことがある。それは、あくまでもGartnerの定義する「IaaS」として評価をしている点だ
Gartner MQ IaaS 2016
 ここでいうInfrastructure as a Serviceとは、標準化され自動化されたITインフラを利用者がセルフサービスで使用するものとしており、個別対応になりがちなマネージドサービスやハイブリッドクラウド、ホステッドプライベートクラウドなどは評価されない。PaaSについてもデータベースやミドルウェアなど限定的なものしか評価されず、例えば、AWSが提供していないMicrosoft Cognitive ServicesやIBM Bluemix の Watson なども明らかに評価の対象外である。
このような評価の方法論は Gartner がレポート内に明記しているので、結果のチャートだけで簡単にクラウドの優劣を判断しないよう、留意いただきたい。


AWS/GCP/Azure/Soft Layer のクラウドサービスの主要スペックを比較できる RightScale Cloud Comparison サイト

RightScaleは、マルチクラウドの管理運用サービスのプロバイダーだが、2016年1月から、パブリッククラウドの比較サイトを公開した。将来的には同社の製品スイート上でも利用できるようになるという。2016年8月時点で比較対象のサービスは、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP)、IBM SoftLayer の4つだ。これらのクラウドの主要なスペックが比較できるようになっており、仮想マシンのサイズや、SLA、提供するOS、セキュリティ認証、データベースサービスなどの機能が表形式で把握できる。スペック中心の クラウド 比較 ツール としては、かなり使えるサービスだといえるのではないか。

Right Scale Cloud Comparison(クリックでサイトへ)
RightSclae Cloud Comparison

米国中心 のクラウドサービスの料金をドルベースで比較できる Claudorado サイト

Cloudoradoは、クラウドサービスの価格比較に特化した サイトで、さまざまなプロバイダーの、サーバーやストレージの料金を簡単に比較できる。操作はいたって簡単で、画面上部のスライドバーを使ってメモリーやストレージのサイズを指定し、APIの有無や提供リージョンなどをオプションで指定するだけで各社の標準価格が表示される。しかしながら、グローバルもしくは米国中心のプロバイダーが中心であり、価格もドルベースでの比較になるため、日本において、そのまま資料として使えるわけではない。また、なぜか IBM SoftLayer は対象外となっているようだが、AWS、Azure、Google を中心として サーバーやストレージのサービス料金を大雑把に比較するためだと割り切れるなら、便利な クラウド 比較 ツール である。

Cloudorado(クリックでサイトへ)
Cloudorado


クラウドサービスの可用性やサービス状況を把握できる Claud Square サイト

95種類のクラウド(2016年8月10日現在)のサービス状況、および、1ヶ月/2週間/1週間の可用性の実績値(%)を把握できるサイトである。日本のプロバイダーも含めて、数多くのCompute/Storage/CDN/DNSのサービス状況/可用性をリージョンごとに把握できる クラウド 比較 ツール となっている。かつて、このサイトでは、クラウドサービスのベンチマークによる性能比較ができたのだが、現在はそのサービスは中止してしまったようだ。 

Cloud Square(クリックでサイトへ)
Cloud Square