クラウド図鑑 Vol.67

概要

freee は、2012年に設立された日本のベンチャー企業で、本社は東京にあり、オンデマンドで使える会計と給与計算のクラウドを中心にサービスを提供している。2013年3月に提供開始したクラウド会計のサービスは小規模企業と個人事業主を中心にユーザーが急増し、2014年7月には10万事業所を突破し、2016年2月には60万事業所に達した。このようにユーザー数を急速に伸ばし、クラウド会計のシェア1位を獲得している freee の特徴は、他の会計ソフトとは異なり、会計や簿記の知識がなくても利用できること、および、クラウドのメリットを活かした銀行やクレジットカードとの連動による自動化機能である。これは freee が掲げる「スモールビジネスに携わるすべての人が、 創造的な活動にフォーカスできるよう」というミッションを実行していると考えられ、小規模企業や個人事業主が、本来業務に多くの時間を使い、会計業務は最小限の時間と労力で済ませられるようになる。これまで freee がターゲットとしてきたのは、従業員50人未満の小規模企業と個人事業主の会計業務であったが、2016年5月に発表した上位の「ビジネスプラン」によって従業員500人規模の中堅企業向けのERPとして販売管理、経費精算、管理会計などの機能を拡張して提供するようになる。また、2016年6月にはAIを応用した自動仕訳の特許を取得し、freee の自動仕訳機能を強化していくという。

freee のモバイル画面(クリックで拡大)
freee
(クリックで拡大)

URL   http://www.freee.co.jp
2016年7月27日 株式会社クラウディット 中井雅也

機能

小規模企業や個人事業主の財務会計に必要な取引入力やレポーティング、決算書類作成、口座管理などの機能をWebブラウザで提供する。一般的な会計ソフトとは異なり、複式簿記に基づいた入力が不要で、簿記や会計知識がなくても使える。また銀行のオンラインバンキングやクレジットカードのデータを同期させることで明細を会計データに自動変換する。

  • 自動化機能:国内外の約2000の銀行、約110のクレジットカード、約30の電子マネーと同期して(2016年7月)、入出金を自動で取得し勘定科目を仕訳する。当初、キーワードに基づく自動仕訳をしていたが今後はAIを応用して精度を高めていくという。
  • 手動での取引入力:Webインタフェースから手動での支出・収入の取引入力が可能。モバイルからの入力も可能。またスマートフォンのカメラやスキャナーからの領収書などのイメージデータによるファイルボックスからの取引入力が可能。
  • 電子帳簿保存:上位のビジネスプランでは、領収書・請求書を一定の要件を満たしたスキャナでスキャンしてデータを取り込むことで、紙の原本の保存を不要にする。
  • 見積書、請求書、納品書の作成
  • レポーティング:収益、費用、損益、買掛、売掛、現預金、資金繰りなどのレポートの作成、試算表や総勘定元帳など
  • 決算:決算書の作成、消費税申告書の作成、固定資産台帳、在庫棚卸など。
  • 連携:POSレジとの連携、Amazonや楽天、ASKULなどの購入履歴の取り込み、Yahoo!ショッピングなどECサイトの売上データの取り込み。
  • 経費精算、マイナンバー対応など。
  • 税制改正への自動対応、継続的な機能拡張。
  • API:さまざまなデータにアクセスするAPIを提供
  • 上位のビジネスプランにおける、部門別の予実管理、プロジェクト会計の対応、請求書のクラウド取り込み、消し込み処理の自動化、資金繰りシミュレーターなど。

使いやすさ

優れたユーザーインタフェース直感的に操作が可能。日本製なので画面は日本語である。

マニュアルや書籍など

基本操作、法人決算、確定申告などのユーザー用のマニュアルを freee が提供している。またチャットやメールによってサポートが得られる。書籍も販売されている。

拡張性

freee のサービスは、AWS上で稼働しており、2016年2月には60万の事業所に利用され、AWSのインフラにより拡張性を確保している

可用性

freee のサービスは、AWS上で稼働しており、2016年2月には60万の事業所に利用され、AWSのインフラにより可用性を確保している。バックアップは freee が行っており、顧客によるバックアップは基本的に必要ない。

SLA

SLAは特に規定していない。

自動化機能

銀行、クレジットカード、電子マネー、POSレジ、ECサイトなどと連動して会計データを自動的に作成することができる。

セキュリティ

freee のサービスは、AWS上で稼働しており、AWSのデータセンターの堅牢な物理セキュリティを踏襲する。通信はSSLで暗号化され、保存するデータも暗号化されている。厳しい基準で個人情報を取り扱う事業者に認定される国際的な認証 TRUSTe を取得している。

データセンターの場所

freee のサービスは、AWSの東京リージョンで稼働している。

実績・シェアなど

2016年2月には60万の事業所が freee を利用しており、クラウド会計ではシェアが1位となっている

エコシステム

国内外の約2000の銀行、約110のクレジットカード、約30の電子マネーとの同期が可能。またECサイト、POSレジ、各種のアプリとの連携も可能。また会計ソフトには欠かせない会計・税務事務所によるエコシステムのための認定アドバイザー制度があり、約2600の事業所が登録されている。

価格および支払い方法

法人向けのプランは月額1980円の「ライト」と月額3980円の「ビジネスプラン」の2種類。個人事業主向けのプランは月額980円の「スターター」と月額1980円の「スタンダード」と月額3980円の「プレミアム」の3種類。支払いは原則的にクレジットカード。