クラウド図鑑 Vol.66

概要

Trello は、ニューヨークに本社を置き、オンデマンドで使えるプロジェクト管理・タスク管理・スケジュール管理のクラウドサービスを提供している。2011年に公開された Trello のサービスはソフトウェア開発者を中心に利用者が急増し、2012年には50万人であったが、2014年には500万人、そして2015年10月には1000万人を突破しており、2016年5月時点で、1日あたりのアクティブユーザーが110万人、毎週15万人の利用者が新規加入しているという。このように Trello が利用者数を急速に伸ばした最大の特徴は、ユーザーインタフェースが直感的で使いやすく、機敏に動作することであろう。会議室のホワイトボードのような感覚で、Trello画面の「ボード」上に「リスト」を作成し、ポストイットの付箋を貼るように「カード」を貼って状況に応じてドラッグアンドドロップ操作で移動させる。コラボレーションのツールでもあり、社内外のユーザーを招待してリアルタイムに情報共有ができる。Trelloは「タスク管理」のツールとして紹介されることが多いが、アイデア次第でさまざまな用途に応用が可能で、中心的なユーザー層であるソフトウェア開発者は、アジャイル開発の「カンバン」としてプロジェクト管理に使ったり、エクアドルの地震では災害情報の集約と共有に使った事例もある。Trelloのようなタスク管理・プロジェクト管理のサービスは他にもあるが、最近では、2016年6月からMicrosoftが、「Planner」というサービスを開始しており、今後Office 365で利用できるようになるとのことで、この分野のクラウドサービスも機能と価格の競争が加速すると予想される。

Trello の画面
trello
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URL   http://www.trello.com
2016年7月20日 株式会社クラウディット 中井雅也

機能

会議室のホワイトボードのような感覚で、Trello画面の「ボード」上に「リスト」を作成し、ポストイットの付箋を貼るように「カード」を貼って、情報とステータスを管理しチームでのリアルタイムな情報共有ができる。

  • カードを開くと、コメントを追加したり、 添付ファイルをアップロードしたり、チェックリストを作ったり、 ラベルや期限を設定することができる。
  • 無制限にメンバーをボードに招待可能。 メンバーをカードにドラックアンドドロップして、タスクを割り当て、また 全員同時に同じボードを見て全体像を把握できる
  • コメントや添付ファイルを利用してディスカッションが可能。 短いメモあるいは詳細な説明書を追加できる。コメントはメンバーに通知される。
  • Trelloの通知システムによって、アプリ、メール、ブラウザーを通じたデスクトップ通知、モバイル プッシュ通知など、さまざまなデバイスに対してどこにでも通知が確実に届く。
  • チェックリストと期限で、重要な事項、タスク、予定を管理できる。見やすいカレンダー形式でカードを時間に沿って表示できる。
  • リアルタイムで軽快に動作し、チームメンバーが情報を変更すると、どのデバイスを使用していても、他のメンバーのボードに変更が反映される。ブラウザーのタブを更新せずに、常に最新の状態が表示される。
  • iPhone、iPad、Android スマートフォンとタブレット、スマートウォッチ、Kindle Fire タブレット受けのアプリを提供。 ウェブブラウザーではどんな大きさの画面でも使用可能
  • 高速かつ高機能な検索機能を提供し、詳細な検索条件を設定して検索範囲を絞り込むことも可能
  • 無料のプランで、DropboxやBoxとの連携が可能。有償のプラン(Business Class、Enterprise Class)では、Salesforce、Slack、Github、Googleドライブ、Evernoteなど、様々なシステムと統合可能。
  • ボード、リスト、カードなどに対する画面からの操作をAPIによってプログラムで操作可能。

使いやすさ

ユーザーインタフェースが優れており、軽快な動作で直感的に使える。画面も日本語化されている。

マニュアルや書籍など

ユーザー用のマニュアルやAPIのドキュメントなど、多くのドキュメントをTrelloが提供している。Webサイトやユーザー系のマニュアルは日本語で提供されている。2016年7月時点では開発者用のサイトやドキュメントは英語での提供となっている。開発者のユーザーが多いせいもあり、全般的にネット上の情報が多い。

拡張性

Trello のサービスは、AWS上で稼働しており、2015年10月には利用者が1000万人を突破しており、2016年5月時点で、1日あたりのアクティブユーザーが110万人、毎週15万人の利用者が新規加入

可用性

Trello のサービスは、AWS上で稼働しており、データは毎時バックアップされ、災害時に備えてオフサイトで保管されてる

SLA

有償のプラン(Enterprise Class)では「強化されたSLAと利用契約」とあるが、SLAに関する規定が見当たらず詳細不明である。

自動化機能

Web APIによって、画面上で行うカードの操作などをプログラムで自動化できる。

セキュリティ

Trello のサービスは、AWS上で稼働しており、AWSのデータセンターの堅牢な物理セキュリティを踏襲する。通信はSSL/TLS/HTTPSで暗号化される。管理者は、会社の情報セキュリティーを守るためにボードでの活動を制限、ボードに誰を追加できるか、ボードの公開設定の変更権限の管理などが可能。

データセンターの場所

Trello のサービスは、AWSの米国のリージョンで稼働している。

実績・シェアなど

2015年10月には利用者が1000万人を突破しており、2016年5月時点で、1日あたりのアクティブユーザーが110万人、毎週15万人の利用者が新規加入しているという。Google、PayPal、Pixar、アドビなど大手のIT企業も利用している。

エコシステム

Trelloの機能を拡張するためのChromeブラウザーのExtentionや、Power-Upsと呼ばれるボード機能の拡張など、開発者のエコシステムによる活動が活発だ

価格および支払い方法

無料のプランで、無制限の枚数のボード、無制限のメンバー招待、好きな数のチーム作成、DropboxやBoxとの連携などができる。1ユーザーあたり月額9.99USドルのBusiness Classのプランでは、より大きな添付ファイルの使用(無料の10MBから最大250MBに)、詳細な権限管理やメンバーシップ管理、Google Drive、Evernote、Github、Slack、Salesforceなどとの連携、メールによる問い合わせサポートがつく。1ユーザーあたり月額20.83USドルのEnterprise Classのプランでは、シングルサインオン、2段階認証、ソフトウェア監視と侵入検知などのセキュリティの強化と、専任担当者によるトレーニングや利用促進の支援やマイグレーション支援などのサポートが行われる。支払いは原則的にクレジットカード。