調査会社のSynergy Research GroupとCanalysは、2023年第1四半期時点のグローバルにおけるクラウドインフラのシェアをそれぞれ発表しました(Synergy Research Group、Canalys)。
クラウドインフラとは、IaaS、PaaS、ホステッドプライベートクラウドを合わせたもの。
両社の調査結果ではいずれも過去1年のクラウドインフラ市場の成長率を20%前後としており、これまで30%前後という高い成長率で推移してきたクラウド市場が、世界的な不景気の影響を受けて急速に減速していることが示されました。
AWSとAzureのシェアの差が2桁を切って9%に
そうした中で、2023年第1四半期の最大のトピックはAWSのシェアとMicrosoft Azureのシェアの差がついに2桁を切り、9ポイントになったことです。
すでに2022年第4四半期のCanaryの調査結果ではAWSのシェアとMicrosoft Azureのシェアの差が9ポイントとなっていましたがSynergy Research Groupの結果ではまだ10%以上の差がありました。
それが今四半期の調査結果では、CanaryとSynergy Research Groupの両社ともにAWSのシェアとMicrosoft Azureのシェアの差が9ポイントで一致しています。これでMicrosoft AzureのシェアがAWSに対して着実に近づきつつあることが明確に示されたといえるでしょう。
下記がSynergy Research Groupの調査結果のグラフです。AWSのシェアは32%で変わらず、Microsoftが23%と前四半期の21%から2%もシェアを伸ばしています。
Canalysの調査結果も同様にAWSのシェアが32%、Microsoft Azureが23%となっています。
もしもこのまま四半期ごとにAWSとMicrosoft Azureのシェアの差が1~2ポイントずつ縮まっていくとすれば、計算では1年半から2年前後でAWSに追いつくことになります。
Microsoft AzureはOpenAIとの提携によるAI関連サービスの提供が予定されており、引き続き高い成長が予想されます。Microsoft AzureがシェアでAWSに追いつく可能性が見えてきたと言っていいのではないでしょうか。