クラウド図鑑 Vol.60

概要

Twilioは、2008年に設立し、サンフランシスコに拠点を置き、アプリから電話やSMS、ビデオなどを操作/統合するAPIをクラウドで提供している。2016年5月26日にはSECに対してIPOの申請を行った。動画配信のHuluやクラウド会計のfreeeなどは、同社のサービスを利用してコールセンターを運営している。また 配車サービスのUberやメッセンジャーサービスのWhatsAppなども電話とアプリを同社のAPIで統合している。Twilioは、APIで利用するサービスだけに開発者に対してフレンドリーであり、即座に無償でトライアルができる。2013年の時点で20万人以上の開発者がいるといい、一方で、ビジネス用の通話のためのOpenVBXやダッシュボードのソフトウェアなどオープンソース化にも積極的である。日本では2013年からKDDIウェブコミュニケーションズが同社のサービスを提供しており、開発者向けのドキュメントなども日本語化している。

Twilioの開発者ダッシュボード (KDDI版)
Twilio ダッシュボード
(クリックで拡大)

URL   https://www.twilio.com
http://twilio.kddi-web.com/

2016年6月1日 株式会社クラウディット 中井雅也

機能

数行のコードで、電話やSMS、ビデオ、チャットとつながるクラウドAPIを提供する。
「プログラマブルVOICE」は、電話番号を使って電話をうける・かける・話すなど、音声通話の機能を提供。PSTN (一般電話回線)を使用するため、品質が高く、安全性の高い音声通話が可能。世界の3200以上の通信キャリアに電話ができる。REST APIで通話の制御やモニタリングが可能。
「Text to Speech(音声合成機能)」によって、テキストを音声合成で読み上げることが可能。英語のみであるが、音声のテキスト化も可能。通話の録音と再生、電話会議も可能。
「プログラマブル CLIENT」 は、電話をうける・かける・話すなど、VoIP 通話の全ての機能を提供。Wi-Fi またはデータ通信によって Twilio へ通話が届き、宛先の固定電話番号や携帯電話番号を認識して通話をつなぐ。
「プログラマブルビデオ」は、モバイルやウェブのアプリで複数人でのビデオ通話を高品質で実現できる環境を提供。高品質な通信を実現するため、世界中のクラウドインフラを適切に組み合わせて提供する。
「エラスティック SIP TRUNKING」 により、VoIP インフラストラクチャーのためのグローバルな音声接続を迅速に提供。最も適切な通信キャリアを利用した PSTN 接続を行う。
「Twilio SMS 」は、あらゆるアプリケーションから携帯電話へテキストメッセージを送受信が可能。
「IP MESSAGING」により、メッセージング(チャット)機能をアプリに埋め込むための様々な機能を提供。
「AUTHY」によって、ウェブサイト、SaaS 製品、モバイルアプリで使われている従来のユーザー名とパスワードによる認証機能を強化し、少ないコードで認証機能を利用できる環境を提供。
Twilio公式APIライブラリーを提供しており、プログラミング言語は、PHP、Ruby、Python、.NET、Java、Node.js、Salesforce APEXが使える。また、開発者のコミュニティからGoやC++のライブラリーも提供されている。デバッガーやAPIエクスプローラーなどの開発者用ツールも提供される。
「TwiML」というXMLベースの言語で、電話やSMSを受信したときに、電話を転送する、応答メッセージを返す、などの動作を記述する。
REST API を使って、ユーザー アカウント、電話番号、通話、テキスト メッセージ、録音のメタデータにクエリを送信することができる。

使いやすさ

サービスはコンソールに統合され、画面から設定を行うことができる。各種機能のチュートリアルなどもコンソールに統合されているため、コンソールから開発を始めることができる。KDDIによって画面も日本語化されている。全体的に開発者にとって使いやすいサービスになっている。

マニュアルや書籍など

Twilioによってマニュアルやチュートリアルが用意されている。KDDIによって主要なドキュメントは日本語化されている。

拡張性

クラウドインフラはAWSを利用したスケーラブルな設計になっており、データベースも垂直・水平にスケールするとのことである。電話やコールセンターを構築する観点から見ても、各国のキャリアに対応したグローバルな拡張が可能である。

可用性

クラウドインフラは、共有リソースを使わず、サービスも小さいステートレスなサービスの集合体であり、障害や性能のボトルネックの発生しにくいデザインになっている。7つのリージョンにわたる28のデータセンターを利用しており、各データセンターには完全に隔離された16のクラスターが配備され、可用性を高めている。キャリアとの接続も冗長化されている。SOAとテストフレームワークによってソフトウェアのメンテナンスも無停止で行われる。利用者のアカウント情報や通話記録や音声データなどは99.999999999%のデータ耐久性を持つAWSのS3に保存される。

SLA

99.95%の月間アップタイムをSLAによって規定している。

自動化機能

利用者からは全てのサービスはAPIであり、インフラの設定や運用、ソフトウェアのメンテナンスなどを意識することはない。

セキュリティ

マルチテナントのアーキテクチャによってインフラのリソースとともにアプリケーションも隔離される。物理セキュリティはAWSの堅牢なデータセンターセキュリティを踏襲する。ファイアウォールとDoS攻撃の保護により、ネットワークセキュリティを高めている。アプリケーションはTLSによる暗号化とダイジェスト認証、TwiMLのパスワードによる保護などでセキュリティを高めている。

データセンターの場所

AWSを利用しており、7つのリージョンにわたる28のデータセンターでサービスが稼働している

実績・シェアなど

グローバルで、Coca Cola、Hulu、Airbnb、EMC、Intuit、Box、Nordstrom、Dell、Wixなどが、国内では、freee、ヤフー、ニフティ、チームラボ、福岡市、日本気象協会、リクルートなどが利用している。

エコシステム

グローバルで20万人ともいわれる開発者のエコシステムが形成されている。一方でAPIを通じて利用するため、主要なクラウドにも取り入れられており、AWSとAzureはマーケットプレースから、IBM Bluemixではサービスとして利用できるようになっている。日本では2013年からKDDIウェブコミュニケーションズが同社のサービスを提供し、日本語化した情報提供をしている。

価格および支払い方法

KDDIの場合で、電話番号の使用料金が「050」で月額100円、「0120」で1500円。通信料が固定電話宛で1分5円、携帯宛で1分15円。着信料が「050」で1分0.926円、「0120」で1分20円。SMS送信がau宛で1通7.408円など。
無償トライアルのプログラムが用意されており、クレジットカードの登録もなく簡単に開発を始めることができる。