米国時間 2017年5月23日に、Mashapeの API マーケットプレース が RapidAPI 社の APIマーケットプレースに統合されることが発表されました。この統合により RapidAPI社のマーケットプレースでは約7500種類のパブリックAPIが利用できるようになります。MashapeはオープンソースのAPIゲートウェイ「Kong」に注力していくとのことです。
[Mashapeのブログでの発表を見る]

クラウド図鑑 Vol.58

米 Mashape 社は、APIを管理するためのクラウドサービスとオープンソースのツールを提供するために2010年に設立された企業で、インベスターとしてAmazonのジェフ・ベゾスやGoogleのエリック・シュミットが名前を連ねている。Mashape が運営する「 API Marketplace 」は、多様なAPIのマーケットおよびゲートウェイとなるクラウドサービスで、2016年5月時点で18000を超えるAPIが登録されており、利用する開発者も250000人を超える。APIのゲートウェイと管理機能は、AWSAzureBluemixなどもクラウドサービスとして提供しているが、Mashapeのクラウドでは、金融、通信、旅行、医療、メディアなど18のカテゴリーのAPI群がドキュメントとともに公開されており即座にアプリから利用できる。また開発者が、APIを公開して、課金システムを使ってマネタイズすることができる。Mashapeがめざしているのは、APIの開発者コミュニティとAPIの利用者を結びつけることであり、MashapeのFounder/CEOのAugusto Mariettiは、GitHubがオープンソースのコードの組み立てラインであるように、MashapeはAPIの組み立てラインだという。一方で、このAPI MarketplaceのAPIゲートウェイ部分をオープンソース化して「Kong」として提供している。これは、IBMやCA、Apigeeなどが提供しているAPI管理のソフトウェアと同じ位置づけで、オンプレミス環境およびAWSなどのクラウドで利用できる。現在、「マイクロサービス」が注目されつつあるが、KongのようなオープンソースのAPIゲートウェイなら、小さく始められるためマイクロサービスアーキテクチャに取り組みやすくなるだろう。

 

API Marketplaceの画面
mashape marketplace
(クリックで拡大)

URL  https://www.mashape.com
2016年5月18日 株式会社クラウディット 中井雅也

機能

「API Marketplace」は以下のような機能を提供する。

  • API利用者(Consumer)のための機能
     - Marketplaceに登録された18000を超えるAPIの検索、発見
     - ひとつのAPIキーで複数のAPIを利用可能
     - オープンソースのUniversal Rest Library (Unirest) により、Curl、Node、Java、PHP、Python、Ruby、Obcetive-C、.NETなどのプログラミング言語からAPIを利用可能
     - 対話式のドキュメンテーションとライブテストコンソール
     - 開発者間での問題の共有、チャット、ブックマークなどのコミュニティ機能
     - XMLからJSONなど変換機能とフィルタリング
     - スロットリングによるAPI使用制限
     - OAuthなどによるAPI認証
     - 呼び出し回数、遅延時間、エラーなどのダッシュボード表示
     - ロギングとアラート
     - 1クリックでのAPI購入とダウンロード可能な請求書生成
  • 開発者がAPIを公開・プロモートしてマネタイズする機能
     - APIドキュメンテーションとサンプルプログラムの自動生成
     - 8種類のプログラミング言語のライブラリとSDKの自動生成
     - 開発者どうしのレビューやフォローなどのコミュニティ機能
     - 変更ログつきのAPIドキュメントエディター
     - パーミッションの設定によるアクセス制限
     - APIの使用状況、統計情報などのモニタリング
     - 課金およびダウンロード可能な請求書生成

また、Marketplaceとは別にAPIの分析プラットフォームの「Galileo」や、Swaggerのインポートなどができる開発者ポータル「Gelato」を提供している(2016年5月時点でGelatoはベータ)。

オンプレミスで利用可能なオープンソースのAPIゲートウェイ「Kong」は、APIの登録、認証、スロットリングによる使用制限、キャッシュ、ロギングなどの機能を提供する。高性能で定評のあるWebサーバー「Nginx」とNoSQLの「Cassandra」をベースとしたアーキテクチャによる高性能と高スケーラビリティ、プラグインによる柔軟な拡張が特徴である。

使いやすさ

API Marketplaceは、APIの利用者にも開発者にも使いやすいが、画面は全て英語である。

マニュアルや書籍など

MashapeからはMarketpalceや関連サービスのドキュメントが、また、APIのドキュメンテーションもAPIの開発者によって提供されている。しかし現時点では全て英語である。

拡張性

API Marketplaceでは、Mashapeがプラットフォームを管理しており、APIの利用者や開発者が処理能力を意識する必要はない。MashapeのHead of EngineeringであるAhmad Nassriによれば、2012年から2013年の間にAPIのトランザクション数が50倍に増加し、スケーラビリティの問題に直面したが、それまでのモノリシックなアーキテクチャからNginxをベースにする「Kong」の分散アーキテクチャに移行することで解決した。現在では18000以上のAPIの月間10億回以上の呼び出しを効率的に管理しているという。

可用性

API Marketplaceのインフラは冗長化されており、単一障害点からのサービス停止を回避する。Kongのアーキテクチャはスケールアウトがしやすいため可用性とスケーラビリティを高めやすい

SLA

API MarketplaceではSLAを定めていないが、99.9%のアップタイムを実現するデザインになっているという。サービスの稼働状況をWebで公開しており、アップタイム、ダウンタイムがわかるようになっている。

自動化機能

API Marketplaceはマネージドサービスとして提供されており、インフラの管理を意識することはない

セキュリティ

API Marketplaceの通信は256ビットのSSLで暗号化される。OAuthなどのAPIの認証に対応する。

データセンターの場所

API Marketplaceは、場所は公開されていないが、AWS上にサービスが構築されている。

実績・シェアなど

API Marketplaceには、1600を超えるパブリックAPIが登録されており、月間10億回以上の利用(呼び出し)がある。

エコシステム

API Marketplaceを利用する開発者は250000人を超えており、APIを利用する開発者のコミュニティとしては最大級であると思われる。

価格および支払い方法

API Marketplaceでは、利用者も開発者も基本的に無料プランで利用可能。有償プランのあるAPIでも、BASICプランは無料で、1日あたり12500回のリクエストと1250回のアップロードが可能。これを超えると、課金が行われ、PROプランは 25 USドル/月で、1日あたり250000回のリクエストと25000回のアップロード、ULTRAプランは100USドル/月で、1日あたり1000000回のリクエストと100000回のアップロード、MEGAプランは100USドル/月で、1日あたり1000000回のリクエストと100000回が可能になる。この課金による売上の20%をMashapeがとるレベニューシェアのモデルとなっている。